時事と政治

スーパーホテルの業務委託契約 実態は【労働者】役員らを暴行罪で刑事告訴|使い捨て支配人の手取り月収10万円

世の中の出来事に思う

スーパーホテルJR上野入谷口で支配人として働いていた男性Sさんと副支配人だった女性(渡邉亜佐美さん)が、「スーパーホテル」を相手どり、未払いの残業代など計約6,200万円及び契約解除の無効を求めて、5月28日に東京地裁に提訴し、裁判を起こしました。

先んじること、4月10日には、上野労働基準監督署に未払い残業代の発生や業務実態が労働者であることなどを申告していて、現在調査中の状況。

2020年1月に首都圏青年ユニオンに加盟した渡邉さんらは、働き方の改善を求めて交渉を続けてきたものの、スーパーホテル側の対応に変化がないため、今回の提訴に踏み切ることにしたとのこと。

さらに問題なのは、スーパーホテル役員らによる、追い出し・排除の際の暴行で、Wさんは役員らを刑事告訴(4月10日)しています。

一方的な契約解除後の3月24日のこと。本社役員ら5人がホテルに来て、1人で勤務するWさんをフロントから排除し、その役員らが業務を開始。2人はホテル内の住まいからも追い出されました。そして、排除の際に、殴られたり、体を押しあてられたりしました。

なお、排除される際の生々しい実態の音声等は、既に公表されています。

スーパーホテルJR上野入谷口で支配人として働いていた男性Sさんと副支配人だった女性(渡邉亜佐美さん)

業務委託契約の名の下に、支配人とは名ばかりで、その業務実態は24時間・働かせ放題の【労働者】。結局、支配人の手取り月収は10万程というあわれな状況です。

「格安」を武器に急拡張して来たスーパーホテルの背景に、業務委託契約を利用した人件費の抑制という実態があることが明らかとなりました。

スーパーホテルの業務委託契約の【支配人】を利用した経営スタイル

ビジネスホテルチェーンの「スーパーホテル」は、国内146店舗を展開して、近年、急な拡張を続ける企業です。エコ・ファースト企業として環境大臣の認定も受けており、成長を支えるその経営に抜かりがありません。

しかし、成長を支える経営スタイルの実態は、業務委託契約の【支配人】を利用した、人件費コストの削減によってもたらされています。

スーパードリームプロジェクト(Super Dream Project)と称し、4年間の支配人生活での独立開業資金の貯蓄と夢と理想の実現をうたい、これに飛び込む支配人候補者を四六時中募集しています。

具体的には、ホテルに住み込むことを条件にして、夫婦者などの男女2人と業務委託契約を結ぶ仕組みで、約3カ月にわたる研修の後、社内試験に合格後、契約を結ぶ仕組みです。

株式会社スーパーホテル 支配人・副支配人募集説明会 予約サイト

独立開業資金の貯蓄と夢と理想の実現をアピールする先輩達の体験談も紹介しています。

夢をかなえた先輩インタビュー|スーパーホテル支配人・副支配人募集

フランチャイズと業務委託の違いについて考察してみました。

フランチャイズ契約の場合、セブンイレブンやローソンやファミリーマートなど、既存のブランドが確立されている店の名前を借りて、商品やサービスを売るというケースですが、それに対して業務委託契約の場合、企業側が、店のオーナーに対して店舗の管理や運営を任せる経営方式となります。

しかし、スーパーホテルの場合、宿泊料金格安で利用者からの評判も良く、店舗数(ホテルの数)多く、ある種のブランド化しているともいえるでしょう。

そしてここに、【支配人】立候補者が群がって来る構図になっています。

なので、使い捨て可能な【支配人】はいくらでも調達出来るという仕組みです。

スーパーホテルの使い捨て支配人向け業務委託契約の内容

業務委託契約で働く【支配人】は、制服も名刺も本社社員と同じです。

スーパーホテルの使い捨て支配人に向けた業務委託契約の実態は以下のとおりで、まさに、指示され、管理され、『労働者』の契約となんら変わらない内容となっています。

  • 勤務先ホテルは一方的に決められる
  • 業務の遂行は詳細な1400ページに及ぶマニュアルで指示される。
  • ホテルの業務マニュアルは約1400ページにも及び、
  • マニュアルでは、個人事業主としての確定申告書の書き方も指示されている
  • 売り上げに直結する稼働率は常に本社が確認・評価し、収入に連動する
  • 稼働率が悪いと契約解除の可能性がある
  • 支配人らが契約内容や業務要項に従わない場合、会社側は、一方的に契約解除できる
  • 一方的な契約解除の際など、会社側は、損害賠償請求もできる

スーパーホテルの支配人の収入と労働の実態【手もとに残るのは2人で月22万円】

支配人の収入となる業務委託料は毎月、【月額で97万6千円】が支払われます。

ところがなんと、業務委託料の中には、複数のアルバイトを雇うための補助金約【33万2千円】が含まれています。

ここからさらに、その他諸経費を差し引くと、手取り残金は、2人合わせて【月額約22万円】ほどになってしまうといいます。

このような状況では、アルバイトを多く雇いたいものの、それは無理で、必然的に【支配人と副支配人】の二人が長時間労働することになります。

今回、訴訟を起こしたWさんの場合、は朝5時半から午後9時まで働き、その後に仕事をすることもあるといいます。そして相方のSさんの場合は、午後1時から深夜1時半まで仕事。

深夜1時半までのはずの仕事も、宿泊客に呼ばれた風俗業関係者の出入りを監視するために、朝5時半まで仮眠せずに待機するといいます。

幸いなことに?住み込みで家賃や水光熱費の負担が無く、なんとか暮らしていけるといいますが、これでは、食べていくのがやっとといった状況です。

スーパーホテルのブランド?の下、夢と理想を追いかける支配人と副支配人ですが、これでは、普通の共働きの方がまだ良いと思われてなりません。

参考:スーパーホテルの支配人(元)から一言

スーパーホテルでは「株式会社 スーパーホテルクリーン」という会社を持っている

スーパーホテルでは、「株式会社 スーパーホテルクリーン」という会社を持っていて、東南アジアからの人材を確保し、ホテル清掃、日常清掃、定期清掃、ビル管理、請負事業等に従事させています。

上記は、「クリーン事業」部門の仕事で、その他に、外国人の人材紹介、また、人材派遣を行う「HR事業」を展開しています。

さて、業務委託契約とは、スーパーホテルの場合、支配人と副支配人を事業主として採用するということです。なので、アルバイトスタッフへの給料は、事業主たる契約者の負担となって、業務委託報酬から天引きされます。加えて、スタッフへの教育にも時間がかかります。

ここで、「スーパーホテルクリーン」から無料でスタッフを派遣してもらえると助かるのですが、そうではないようです。

スーパーホテルクリーン

スーパーホテルの業務委託契約の実態は労働者!のまとめ

今回、スーパーホテルによる、業務委託契約を利用した経営の実態が明らかとなりました。

スーパーホテルJR上野入谷口で働いていた男性Sさん等の訴訟に呼応して、全国各地の契約解除された【元支配人】達から多くの相談が、首都圏青年ユニオンに寄せられているといいます。

今般の新型コロナ感染による自粛で、多くのスーパーホテルの業績が落ちていることは想像にかたくありません。

奴隷の如く使われて、捨てられる【支配人】も多く発生することでしょう・・

未だ沈黙する【スーパーホテル】は、どのような挙動にでるのでしょうか。

また、訴訟の結果はどのようになるのでしょうか。