ながえ孝子ブログ Blog
2009年04月22日 (水) 01:19
般若面
駐車場の奥の机の上に、彫りかけの…?
これは面?
「うん。沢山彫ったよ。見るかい」
と言うお父さんのお誘いに家の中におじゃまして、息を呑みました。
壁にずらっと掛けられた面の数々。
一枚一枚、木を削って彫って切り出して生み出されます。
その表情の生々しさ、喜怒哀楽の鮮やかさに吸い込まれるように見入ってしまいました。
それぞれの表情の面から、うめき声や含み笑いや歯軋りまで聞こえるような気がして…。

「これは般若ですね」
「うん、こうなる前の女性の顔もあるよ」
「えっ般若って女性なんですか」
「ほうよ。嫉妬や恨みのこもった女性の顔なんよ」
そうかぁ、確かに嫉妬すると己をなくしてしまうよなぁ。
と思いつつ覗いた般若面の迫力に引き込まれました。
激しい感情がほとばしり出ていて怖い。
怖いんだけど…じっと見ていると泣き出しそうな顔にも見えるのです。
「人間の感情は複雑で、色々な思いがない交ぜになっとるから、
優れた般若面は、単なる怖い鬼面と違って、
見る角度によって怒りの表情と悲しみの表情とが表れてないといかんのよ」
忘れないでおこうと思いました。
人は鬼になる時でも、怒りながら泣きながら鬼になるのだと。
仏になる時も、微笑みながら泣きながらなっていくのかもしれません。
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