ながえ孝子ブログ Blog
思い出の『花咲か爺さん』
桜の花を見るたび思い出す人がいます。
私たちは、敬愛をこめて『花咲か爺さん』と呼んでいました。
高岡正明さんとおっしゃいます。
惜しまれながら、2001年に92歳で逝かれましたが、亡くなるまで、桜の木を日本各地そして世界中に贈り続けられました。
「うんうん、今度ゴルバさんにも贈ろ思てな」
と電話で話されていたのを良く覚えています。
ゴルバさんとは、ゴルバチョフ元ソ連大統領のことです。
世界の要人が来日すると、お土産にと桜の苗木を贈るのです。
勿論、無償の行為です。
なぜ、高岡さんは桜の木を贈り続けたか。
それは……。
戦時中、青年学校の教師だった高岡さんは、教え子の多くを戦地に送り出しました。
桜咲く下で別れの宴を開いて、
「お国の為に尽くして、そしてこの花の下に帰って来い」
と送り出したそうです。
しかし、二度と帰って来ることの無かった教え子たちも少なくありませんでした。
高岡さんは、悔恨の思いを胸に
「彼らの命を無駄にしてはいけない、送り出した者の出来る事は何か」
と考え、平和への願いを込めて、桜の花を世界中に咲かせようと決心したのです。
暑い土地、寒い土地でも元気に育つようにと品種改良にも努め、丈夫な「陽光」という新品種も作り出しました。
紅が濃く温かみを持つとても華やかで美しい桜です。
今、高岡さんの桜は世界で美しい花を咲かせています。
中国西安市で1000本、リトアニアで1200本また、ローマ法王のバチカン法王庁でも桜並木が生まれています。
お花見に大勢の人が桜の下に集います。
皆、笑顔です。
こんな温かな光景がいつまでも続きますように。
薄紅の美しい花を見るたび、花咲か爺さんの平和への願いを思い出すのです。

事務所から見える堀端の桜も今が見ごろ。お花見の方々との記念写真です。